神戸市中央区 みなと元町内科クリニック
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未病/ストレス専門Dr. 笠木のブログ
ストレスとメンタルへルスの大原則
2021/07/11

コロナ禍というのもあって、職場のストレスが増え、自分のメンタルで悩んでいる人が増えています。産業医がいない職場であったり、メンタルケアをする方法をまだもっていなかったりすると、なかなかメンタルの異常を解決する手段や相談相手もいなくて困っているかたもおおいのではないでしょうか?どうして職場の上司は自分のメンタルに気を使ってくれないのか?仕事の配慮をしてくれないのか?そういった感情から会社に対して不信を抱えているかたも多いかもしれませんね。

職場でのストレスで自分がメンタルに異常をきたした場合に、誰に責任があるのでしょうか?社長や上司の管理不足だから会社の社長や上司に責任があるでしょうか?会社の社長や上司に責任がある場合がないわけではありません。例えば、自分が病気を患っていて、その病気が悪化していて業務遂行に支障をきたしている、それを上司に相談しているにも関わらず、対応してくれていない場合です。上司は部下が健康上の問題を訴え、それが業務遂行に問題をきたした場合には部下を「休ませる」といった対応をしなければなりません。いわゆる「安全配慮義務」と言われており、これを違反すると、裁判沙汰になり、上司は裁判で敗訴する可能性がでてきます。それではそれ以外のケースはどうでしょうか?

そもそもメンタルの異常で働けていない社員に対して、上司が部下のメンタルを良くして(かつ働けるようにして)あげようとすることは「義務」ではありません。むしろ、就業規則や規定に従い、身分や経済的な補償等を行った上で「療養させる」ことが求められています。

メンタルヘルスの大原則というのがあります。それは、職場は働く場所であること。「仕事がきちんとできるなら働く」あるいは「仕事がきちんとできないなら休む」という1/0を明確にすることです。

社員を以下の4つの区分に分けたとします。

 

きちんと働けている社員

働けていない社員

メンタル不調ではない社員

(A)

(B)

メンタル不調ではある社員

(C)

(D)

 多くは(B)か(C)の社員への対応で問題が起きます。(C)については本人から申し出もないのに事前にメンタルの悪化から仕事への悪影響を防ごうとして上司が「余計なお世話」を行う場合です。本来自分のメンタル管理は「環境に関わらず」自分で管理できることが自立した大人としての対応になります。その観点からすると、メンタル管理の責任は常に「本人」であり、上司が責任をとる部分は本人が働いた成果を出す部分にあります。従って「メンタルが悪くなって仕事に支障をきたした時点」で上司は対応すべきであると考えられます。なぜならそれが上司の責任/タスク(仕事)だからです。B)は文字通りなら職務怠慢となります。(B)と(D)の違いは、メンタル不調があるかないかですが、「これだけメンタル不調があれば、これだけ職務怠慢になる」といった業務遂行に影響を与えるメンタル不調の基準や目安があるわけでもありません。一般に管理職が社員を「職務怠慢」として処分することは非常に勇気がいて現実には困難なので、管理職としては当該者のメンタルの不調を改善させることで、部下を働かせたくなるのは理解はできますが、メンタル不調の改善は非常に難しく、現実的ではありません。

参考文献:健康管理は社員自身にやらせなさい 高尾総司 著 保健文化社